イランでのイスラム教五行『教え』と『現実(リアル)』とは

イスラム教には日々実践しなければならない五行と言われる義務があります。

こういった宗教的な義務というのはどのように行われているのでしょうか。

教えの内容そのものを忠実に実践しているのでしょうか。

その実態を見ていきたいと思います。

 

目次

五行①信仰告白(シャハーダ)

信仰告白の教え

信仰告白とは「アッラーは唯一絶対の神である」、「ムハンマドはアッラーの預言者である」と唱える事です。

基本的に礼拝の時にこの言葉を繰り返し唱える事でイスラム教徒としての自覚を持ち続けます。

 

生まれた時からこういった特定の思想を教え込む事で、当然のようにアッラーへの信仰を持たせることが出来ます。

イスラム教に根差した国づくりをするのに信仰心は不可欠です。

信仰告白は基本にして、重要な行いとなっています。

 

信仰告白のリアル

イランの人達は日々、信仰告白を行う事によって唯一絶対の神であるアッラーへの信仰心を持っています。

しかし、絶対の神であるがゆえに、とんでもない言い訳に使われてしまう事も日常茶飯事なのです。

 

例えば、待ち合わせの約束をしていて遅刻をしてしまったら、あなたならどうしますか?

恐らくまず謝罪の言葉を述べると思います。

イラン人の中にはこんな事を言う人もいます。

「遅刻したのはアッラーの思し召しだから仕方ないよ」

 

日本人だったら、何を言っているんだ、という気持ちになりますが、イランでは至る所で聞かれる言い訳です。

アッラーへの信仰心があるがゆえに「アッラーが言っているなら仕方ないか」となってしまう事もあるようです。

 

まさか、アッラーもこんな風に使われるとは思っていなかったことでしょう。

 

五行②礼拝(サラート)

礼拝の教え

イスラム教徒は1日5回、日の出前、正午過ぎ、遅い午後、日没後、就寝前に祈りをささげなければなりません。

メッカの方向を向いて、手順は細かく決められています。

何の礼拝をするかの意思表明に始まり、直立、立礼、平伏、座位の4つの動作で決められた祈りの言葉をささげます。

 

礼拝は聖職者を介さず神と信者が直接向かい合う場となっており、モスクに限らず清潔な場所ならどこでも行う事が出来ます。

学校、職場、自宅など、礼拝スペースが設けられてる所も数多くあります。

イスラム教徒にとって、礼拝は生活の一部となっています。

 

礼拝のリアル

礼拝は1日に何回も行わなければならず、なかなか手間のかかる作業です。

てきとーな言い訳をして礼拝をサボるイラン人も少なくないです。

 

「心の中でお祈りをしたから問題ないよ。」

「今日は体調が悪いから」

 

日本だと仮病を使って学校や仕事を休む人はいますが、神様に対して仮病を使う訳ですね。

そう思うと、日本人だろうとイラン人だろうと意外と似たような事をしているのかもしれません。

 

五行③断食(サウム)

断食の教え

イスラム教では、ヒジュラ暦第9月がラマダン月となっていて、1か月間断食しなければなりません。

1か月間まるまる断食をしたらもちろん死んでしまいますので断食の時間帯が決まっています。

日の出から日没までは、食事をとるのも飲み物を飲むのも禁止です。

日出前に出来るだけ食べて、日中の時間帯を乗り切ります。

日没後の食事は家族団らんの時間にもなっています。

 

1か月間の断食明けにはイード・アルフィトルというお祭りが待っています。

世界中のムスリムが神に感謝しながらお祝いをする日です。

断食は、イスラム教に共通の苦行を経験することによって、身分や国籍の差を超えて仲間意識を高めるという意味もあります。

 

断食のリアル

断食は日中、全ての飲食が禁止という事で中々つらい義務です。

そのため日没後の食事は自然豪華なものとなり、ラマダン月は普段よりも食費がかかるとも言われるほどです。

レストランも日中は営業をしない店がほとんどですが、日没後の料理を求めてお客は来るので、店がつぶれてしまうという心配も必要ありません。

 

断食はイスラム教徒の義務ですが、病人や妊婦、老人などは除外されています。

中には妊婦のふりをしてこっそり食事をとったり、仮病を使う人もいるようです。

また、ラマダン月になると顔を頻繁に洗う人が増えるようです。

なぜでしょうね。

 

五行④喜捨(ザカート)

喜捨の教え

貧しい人に施しをするのがイスラム教の義務となっています。

自分で築いた財産であってもそれは神から一時的に託されたものであり、神の意志に沿って使わなければならないとされています。

そうすることで、来世の運命が良くなるのです。

 

ザカートはイスラム教の義務であり、税金のように徴収されます。

一方で、自発的な任意の寄付はサダカと呼ばれます。

 

喜捨のリアル

喜捨はイスラム教で善い行いとされているので、貧しい人々に恵んでいる姿はよく見られます。

そのため、イランは物乞いにとって住みやすい国となっています。

 

中にはきれいな身なりをした物乞いもおり、普通の会社員並の収入を得ている人もいます。

彼らは良く施しをしてくれるリッチな客を掴んでおり、上客のよく行く店などに現れては施しをせびるのです。

さらに、物乞いの中には、自分たちがいる事で喜捨という神の教えを実践することが出来るのだと強気な態度の人達もいます。

そんな人達に小銭を恵もうモノなら神様に失礼だと逆にお叱りを受けてしまいます。

 

五行⑤巡礼(ハッジ)

巡礼の教え

メッカはサウジアラビアにあるイスラム教の第一の聖地です。

イスラム教徒は一生に一度は聖地メッカのカーバ神殿に巡礼しなければなりません。

義務とはなっていますが、経済面や健康面を鑑みて無理がなければ行えばよいという位置づけとなっています。

 

手順も細かく決められており、預言者ムハンマドが632年に行った最後の巡礼と同じように行われます。

カーバの周りを反時計回りに7周し、近くにあるサファーとマルワという丘の間を7往復します。

その後も祈りをささげる儀式や石投げの儀式などのがあります。

巡礼の終わりにはイード・アルアドハ―と呼ばれる祝祭があり、世界中のムスリムは羊などを屠って家族や友人と分かち合います。

 

このように一大イベントとなっていますので、メッカ巡礼を人生の目標としているムスリムも数多くいます。

 

巡礼のリアル

巡礼を行うのはヒジュラ暦12月の8日から12日と決められています。

この期間に約300万人ものイスラム教徒が集中するため、転倒などの事故が起き毎年けが人が出ています。

中には命を失ってしまう人もおり、2015年には2,000人以上がなくなったとも言われています。

 

このように巡礼を達成するのは簡単な事ではなく、巡礼を終えた人々は男性は「ハッジュ」女性は「ハッジャ」と呼ばれます。

周囲からは尊敬の念を持って接される一目置かれた存在になるのです。

 

イラン人は意外とおちゃめ

イランはイスラム教の国ですが、いい意味で緩いというか、意外とおちゃめな部分も見られたのではないでしょうか。

事あるごとにアッラーを言い訳にする姿は何だか好感を覚えますね。

 

さらに、イランはとても親日な国です。

街を歩いていてもよくにこやかに話しかけられます。

特に日本人にとっては居心地の良い国と言えるでしょう。

 

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